口の中の腫れ| 口腔外科専門医による、口腔外科専門サイト。
顎関節症・親知らず・抜歯・口腔腫瘍・受け口・口腔ガン等について解りやすく解説。

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口の中の腫れ

口の中の出来物1

口の中には様々な病気が出来ます。
その中で、皆さんがもっとも気になる病気とは?

この方は、52歳、女性の患者さんです。
2ヶ月前から舌に出来た口内炎が治らないといって来院されました。
他医院で出された軟膏をつけても、よくならないとのことでした。
ご本人は痛みもなく、特に話たり、食事をしても気にならないとのことです。

症例

よく舌に口内炎ができると、歯や食べ物が当たって痛んだり、歯ブラシのときしみたりしますよね。
普段、私たちが口内炎と呼んでいる炎症は、アフタアフタ性口内炎と診断される病気です。
直径2~10mm程度の小円形の潰瘍(かいよう)で周りが赤くなっているもの。
接触痛(触れたときの痛み)が強い。
周期的に再発を繰り返します。

では、この患者さんはどうでしょうか?

舌の左側に、白っぽく膨れたものがあり、その真ん中あたりに潰瘍を認めます。
触るとやや硬さを感じますが、痛みはさほどないとのことです。
いかがでしょうか?

実は、この病気は、舌ガンです。
白っぽく見えるのは、白板症と呼ばれるもので、前がん病変の一種です。
白板症はすべてガンになるわけではありませんが、この方のように潰瘍を伴っている場合は、ほとんどガンです。

他の医院にかかっていたにもかかわらず、ガンと診断されませんでした。
また、本人も自覚症状がほとんどなく、日常的には困っていなかったので、しばらく自分で様子を見ていたとのことです。

実は、ガンは、初期の段階では、自覚症状がほとんどないため、発見が遅れます。
また口のガンはそれほど多くはないので、見たことがないドクターだと診断がつかない場合があります。
やはり、口の中の専門医である口腔外科専門医に早く相談されることが重要です。

口の中のガンは症状(痛みや出血)が出たときはすでに進行しています。異常を感じたときは、自分でまず口の中を鏡でのぞいてください。よく分からないときは、かかりつけ歯科医に相談したり、口腔外科専門医に見ていただくことをお勧めします。

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口の中の出来物2 歯茎の腫れ・・・実は

寝不足が続いたり、風邪をひいて体調を崩したとき、歯茎が腫れることがあります。
いわゆる、歯周病(歯槽膿漏:しそうのうろう)になっている人でよく聞きます。

では、歯茎の腫れはすべて歯槽膿漏でしょうか?

この子は、15歳の男の子です。
右の上あごのところに丸く大きな腫れを認めます。
親指大ぐらいの大きさです。
かなり自分で我慢していたらしく、最近なり食事中食べ物が当たって痛くなり母親に相談して来院しました。

症例

実は、この病気はエプーリスです。
エプーリスとは、歯肉に限局した良性(悪性の反対)の腫瘤(出来物)のことです。
徐々に腫れが大きくなり、歯が傾斜したり、開いたりします。
治療は、外科的に切除が必要です。自然には治りません。

この方は、20歳代の女性です。
妊娠5ヵ月です。ブラッシング時の出血を気にされ来院されました。
エプーリスには妊娠性エプーリスと呼ばれ、妊娠期間中に出来てくるものもあります。

症例

妊娠安定期に切除を行います。
出産が近いときは、経過観察し出産後自然に小さくなることが多いです。

次の方は、61歳、男性 <の患者さんです。
右下アゴの歯茎のところに、半球状の腫れが見られます。
徐々に腫れが大ききなり、かなり硬いものです。
やはり自覚症状はなく、開業医からの紹介でした。

症例

この腫れは、線維腫と呼ばれるもので、良性の腫瘍です。
切除を行います。

次の方、左上アゴに腫れがあると来院しました。
時々出血があるが、痛みはないとのことです。
ですが、大きさは10mmを超え、かなり大きくなっています。

症例

実は、この病気は歯肉ガンです。

よく見てみると、腫れの表面がゴツゴツしています。
今まで見てきた歯茎の腫れと違います。
口腔外科専門医から見ると、見た瞬間から悪性(ガン)を疑います。

自分で判断できないときは、また、かかりつけ医が判断できないとき、しばらく経過を見るのでなく、すばやく口腔外科専門医に紹介ください。

発見が遅れれば、ガンのサイズも大きくなり、大きな手術が必要になります。
また、リンパ節にガン細胞が転移したり、他の臓器にも転移
する場合があります。

ひょっとしたらガンではないか?と疑われたら、出来るだけ早く口腔外科専門医にご相談下さい。

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